近所でお世話になった人が亡くなったので、
お通夜に行ってきた。
帽子がお似合いの寡黙のおじさんだったけど、
朝に挨拶すると、
「あー、たくちゃん。いってらっしゃい」
と返してくれて、
そんな一言が
仕事に向かうときに「頑張らなきゃ」と思わせてくれる
支えになっていたのだ。
家がお隣のご主人だったのだけど、
小さい頃、母に叱られて家を閉め出されると、
奥さんが呼んでくれて、
お家によくお邪魔させてもらっていたのだ。
そういうご近所づき合いが自分を
育ててくれていたのだと思う。
最愛のご主人が亡くなって、
きっとお辛いと思うのに、
奥さんは
「ありがとう」と
笑顔で返してくれた。
昔の人は強いなあ、と思った。
そして、俺も頑張らなくては、と
思った。