ときおり、ひょっこり、顔を出す

音楽•競馬•日本酒好きアラフォー男。日々思いつくまま、勝手気ままな頻度で更新しています。読んで「くだらない」「ほっとした」と思ってくれたら幸いです。

雪を見て童心に返る

2014年、日記初め。
明けましておめでとう、には遅すぎる二月上旬に突入。


2月8日

いつぶりかの大雪。
都心でも27cmの積雪を記録したその日。
「できるだけ外出は控えてください」とニュースで流れる中、
外せない用事があった為、控えず外出。

用事を済ませ、喫茶店での遅めの昼食。
無愛想な店員のいる店は割と当たる。
日替わりランチ。
いつぶりだろうか、カニクリームコロッケ。美味。
窓から見える雪景色に、喫茶店がスキー場のロッジに変わる。

帰路の電車は遅延が始まっており、さまざまな経路がある中、バスでの帰宅を選択。
大正解。ほぼダイヤ通りに乗車。
運転手の集中した顔つきがかっこいい。

押された降車ボタンに従い、あるバス停で停車。
しかし、ドアが開かない。
外付けの降車センサーが雪で覆われてしまったようだ。
雪に慣れない街で生活を送っている者には驚きの出来事。

無事、最寄のバス停で降車すると、いつもの街並みが一変していた。

馴染みの商店街なのに、雪国に小旅行しにきているよう。
お金がなくて旅行なぞできない私は、得した気分。

とはいえ、これは放っておくと大変なことになる、と我に返る。
帰宅するとすぐ防寒着に着替え、吹雪く中、雪かきに外へ出る。
昔は大人に任せていた作業だが、近所の人達もご高齢になってきた。
次の日が楽なようにと、せっせと動線を作っていると、二軒隣のおばさんがビールと干し柿をくれた。
作業後の風呂とビールはいつもより格段に体に染み、
あまり好きじゃなかった干し柿も懐かしさと相まって、とてもおいしく感じた。


2月9日

空はすっかり快晴。白銀の世界。
子どもも、ブランコも、ぞうさんの滑り台もなんだか嬉しそう。

引き続き、今日も雪かき。
晴れたから、昨日より雪かき人口が高い。
昔よく世話してくれたわかめ屋のおばさんが、いかした黄緑のノースフェイスのダウンを着て、スコップ片手に外へ出てきた。
「腹筋を鍛えようと思って」と、共同作業することに。
もうすぐ80になるそうだが、太極拳を続けているバイタリティーの持ち主。
久しぶりの談笑と作業に、心と体が暖かくなった。

そういえば、同じくらい大雪が降ったのは20年前。
ぞうさんのある公園。
同級生の親子が作った、とても大きくて立派なかまくらがあった。
自分は雪だるまくらいしか作るノウハウが無くて、「すごいなー」という感動と羨望の気持ちがあった。
その気持ちは20年経っても残っていたようで、雪を見て憧れが蘇ってきた。
思い立ったら、気持ちはそこにしかない。
都知事選の投票をさくっと済ませると、かまくら作りを始めた。

実家の庭に積もった雪をとりあえず片っ端から掻き集める。
集めたできた雪の山はまだアポロチョコの形。
大福みたいな丸い形にしたい。
山の縁をスコップで削り、削った雪をまた山にくっ付け、整える、を繰り返していく。
一か所ばかり見ているといびつな形になってしまう。
山を見る位置を変えながら、動作を繰り返し、理想の形に近づけていく。
一時間…二時間…。
夢中になっていると、あっという間に時間は過ぎて行った。
やり出すとキリがないので、作業時間のリミットを決める。
そこは20年経った証。

食べるタイミングを逃すところだった昼飯の時間。
腹が減っては戦はできぬ。
簡単なものを食べて一息ついたら、よし、最後の仕上げだ。

入口を削り出す時はふだんガサツな私も慎重に。
コツをつかむと、リミットの時間を気にして大胆に。
あの日見たかまくらのようには大きくなくとも、奥行きが感じられるようにしたい。
間口は小さく、奥は少し深めに掘った。
手で雪をぺたぺた叩いて、内壁を仕上げる。
中を削った雪で、雪だるまも作ってしまおう。
そんなこんなで、やっと完成。

何も利益なんてない。完全なる自己満足。
でも、この達成感はなんだろう。

本気でやれば、なんでも楽しい。
新しい職場で抱えているジレンマも、
汗をかき、風呂で流してしまえば、なんてことはない。

お天道様からの贈り物に気付かされる。



やりたいことをやるだけだ。